ライム病は感染したマダニの咬傷を介して広がるベクター媒介性疾患です。一般にライム病を媒介するマダニの主な種類としては、米国北東部、中部大西洋岸、北中部に生息するクロアシマダニ(別名シカマダニ)と、米国太平洋岸に生息するニシクロアシマダニが知られています。北欧、西欧、東欧では、ライム病を媒介する主なマダニはヒマシダダニとタイガダニがあります。
米国のライム病は、スピロヘータ型のグラム陰性好気性微小細菌であるBorrelia burgdorferiによって引き起こされます。B. burgdorferiは、病気を引き起こすほとんどの細菌とは異なり、毒素を産生せず、代わりに感染した細胞と直接相互作用します。2013年、北米でもB. mayonii が発見されましたが、B. burgdorferiよりもはるかにまれです。ヨーロッパとアジアでは2種類の細菌B. afzelii とB. gariniiがライム病を引き起こします。